お祭りシーズン真っ盛り!神楽師に夏休みはありません!
2025年8月の活動報告です。
8月3日、体験型博物館「房総のむら」の夕涼みイベントに、妖怪として出演いたしました。昔の日本の町並みや農村が再現された敷地内に、「化け猫」と「一つ目小僧」が出没しました。
突如現れた妖怪との触れ合いは大人気!ハイタッチしたり、一緒に踊ったりと異次元?交流を楽しみました。
妖怪が歩くと子供達がぞろぞろと後をついてきて、小さな百鬼夜行のようでした。
油断してると、連れ去られちゃうぞ!
8月6日は、湯河原に鎮座する狸福神社への狸舞奉納、そして現地イベント「湯河原温泉Night」に出演いたしました。
湯河原温泉は狸が発見し広めたという伝説があり、町の各所に狸像やキャラクターを見ることができます。
奥湯河原の万葉公園にある「狸福神社」もそんな狸をお祀りした神社です。
自然の中にひっそりと佇む狸福神社に自主奉納をさせていただいた後、演者三人全員が狸を演じるという、社中史上初!狸づくしの狸神楽をご披露いたしました。
8月9日は、恒例の武蔵野坐令和神社の白狼祭でした。
曇りの日で暑さも落ち着き、拝殿はいつにもまして静謐な雰囲気でした。
今回は白狼祭の前に神前結婚式が行われたとのこと。日本武尊と白狼のように、お二人の強い絆が永遠に続くことをお祈りいたします!
8月23日、奈良の平城宮跡公園で催された「平城宮隼人まつり」にて隼人神楽を披露いたしました。
反乱を鎮圧されたあとは都に移り住み、呪術の力を存分にふるって皇宮の警護にあたった隼人族。平城宮はまさにその場所なのです。
鹿児島出身の代表神楽師・百合之介の想いで立ち上がった隼人神楽は、隼人の故郷である鹿児島で活動を広げ、隼人を討った朝廷側の慰霊行事である宇佐神宮の放生会での奉納を経て、かつての隼人と同じ旅路で、ついに日本の中心地へたどり着いたのです。
かつての都を発信源に、この国の全ての邪気を祓い清める意気で隼人神楽を奉納いたしました。
翌8月24日は京都へ移動、京田辺市の薪神社で月読の舞を奉納いたしました。
この神社は能楽発祥の地とされ、月読尊が影向したと伝わる石が鎮座しています。
京田辺は隼人たちが移住させられたとされる土地であり、能楽へと繋がる芸能も、隼人が月神に捧げたものと伝えられています。
当日は沢山の氏子様にお集まりいただき、神話やお神楽の世界に親しんでいただけました。
そして同24日夜、東京に戻った吉福社中はそのまま羽田の穴守稲荷神社に直行。
夏祭りの献灯祭にて、神楽「稲荷宗近」を奉納いたしました。
穴守稲荷神社には、かつて「稲荷宗近」という刀が御神宝として祀られていたとされています。
名刀小狐丸を打ったことで名高い刀匠、三条宗近が奉納したとされる貴重なこの刀は、残念ながら戦後の混乱で失われてしまいました。
来年、穴守稲荷では、この「稲荷宗近」を復元し、再度奉納するプロジェクトが立ち上がるとのこと。
吉福社中はプロジェクトへの応援の意を込め、三条宗近が稲荷神とともに名刀を造り上げる神楽を奉納いたしました。
二日間で、怒涛の3か所奉納!なんとか走り切りました!
8月28日も怒涛の2箇所展開でした。
武蔵野坐令和神社の鎮座祭である風神祭では、百合之介が相殿神であるスサノオの舞を。
蛇窪神社の己巳の御縁日では、鏡衛門、羽矢太郎、弓ノ丞、頑九郎が恒例の白蛇舞を奉納しました。
ありがたいことに沢山のお仕事をいただいており、このように祭礼が同じ日に被ってしまったり、過密スケジュールになってしまうこともありますが、神楽師一同、一社一社心を込めて、手を抜かずにお勤めしております。
8月30日は、昨年に引き続き千葉県我孫子市の「あびこカッパまつり」に出演いたしました。河童のゆるキャラ「あびかちゃん」の呼びかけで、河童だけでなく様々な妖怪たちが手賀沼公園に集合!
吉福社中は化け猫玉之丞のMCで、利根川の女河童・禰々子が舞い、河童の神様「河童大権現」を呼び出して邪気を祓う、河童神楽を奉納しました。
今月は様々なビッグイベントがひしめいていましたが、奇しくも妖怪に始まり妖怪に終わる、夏休みらしい月となりました。
今月もご縁をくださった寺社・主催の皆様に深く感謝いたします!
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